乳腺葉状腫瘍

乳腺葉状腫瘍の症状
急速に増大する乳腺腫瘤(しゅりゅう)が現れます。
線維腺腫や発育速度の速い乳がんとの区別は臨床的には困難です。
年齢、巨大な乳房腫瘤があるのにリンパ節転移がなかったりと、乳がんとは異なる特徴がありますが、それだけでは確実な診断をすることはできません。
乳腺葉状腫瘍とは?
急速に増大することが特徴の乳腺腫瘍です。
発症年齢は30代~50歳にかけてが多いといわれています。わずか数カ月で10cm以上になることもめずらしくありません。
良性・境界悪性・悪性とわけられます。
乳腺葉状腫瘍の原因
葉状腫瘍は、近年の研究により腫瘍であることが明らかにされました。
線維腺腫(せんいせんしゅ)をもとに腫瘍化するという仮説もありますが、明らかな根拠があるわけではありません。
乳がんは乳腺の腺管上皮から発生しますが、葉状腫瘍は腺組織を囲む間質(かんしつ)細胞が腫瘍化したものであり、生物学的には血液や骨などの腫瘍に近い性質のものです。
悪性葉状腫瘍は肉腫に分類されます。
乳腺葉状腫瘍の治療
葉状腫瘍では切除が原則です。腫瘤切除が基本であり、乳房切断を必要とする症例は多くありません。再発しやすい腫瘍なので取り残しがないように切除します。
切除直後はかなり乳房の変形が著しいのですが、圧排されていた乳腺が次第にもとどおりになることが多く、人工乳腺などで形成を要することは少ないようです。
良性、悪性いずれと診断された場合でも、経過観察を行います。葉状腫瘍に明らかに有効とされる薬は、現在ありません。